弘経寺経蔵(八角輪蔵)(ぐぎょうじきょうぞうはっかくりんぞう)1棟
指定番号
第14号
指定年月日
昭和58年3月1日
所在地
豊岡町甲1番地1
三間堂であるが、経蔵という特殊な目的から防火のため外部を大壁(おおかべ)とする。屋根は銅板葺で、棟には瓦葺を用いる。軸部(じくぶ)はとくに組物を設けず簡素な造りとなっている。
特筆すべきは、内部にある経典を収める輪蔵(回転文庫)で、八角形を示し、軒は二重扇垂木(おうぎだるき)、腰回りは五手先の腰組を設ける。中央には心柱を入れ、全体が回転するように考案されている。鎌倉期の禅宗様で発展したものであり、県内でも非常に珍しく、文化史・建築史的評価も高い。
建築工法から判断すると、19世紀初頭の建築と推定される。桁行・梁間とも6メートル。