千姫姿絵(せんひめすがたえ)1幅
指定番号
第2号
指定年月日
昭和56年12月10日
所在地
豊岡町甲1番地1
天樹院(千姫)の姿絵として、弘経寺に伝えられてきたものである。右手を肘掛に、左手を膝の上にのせて座す千姫を描いた扁額(へんがく)である。鹿の子絞りの打掛には葵(あおい)の紋をちらし、裾にはあやめ、間着(あいぎ)の胸元には藤の花房が垂れている。顔立ちはやや面長だが、頬のあたりはふくよかである。書見に飽いて煙草を所望されたのか、膝もとに方形の煙草盆が置かれている。全体的に風俗画調であるが、ふくよかな筆の線は「寛文美人図」を想い起こさせる。千姫の姿絵といわれるものは数少なく、この絵は歴史資料としても貴重である。作者・製作年代は不明であるが、構図や葵紋の描き方から江戸時代初期の作と考えられる。扁額:縦47センチメートル、横89センチメートル・絵画:縦31センチメートル、横53センチメートル。