絹本著色嘆誉良肇上人像(けんぽんちゃくしょくたんよりょうちょうしょうにんぞう)1幅
指定番号
第57号
指定年月日
平成25年2月21日
所在地
豊岡町乙1569番地1
嘆誉良肇上人(1359—1439)は、室町時代に常総地域で活躍した浄土宗の高僧である。
鎌倉幕府の執権北条氏の支族、名越家の嫡流として生まれた彼は15歳にて仏門に入り、応永4年(1397年)、現在の豊岡町に当文化財を所蔵する無量山安養寺を開山し、門弟の指導に尽力した。その後の応永21年(1414年)には同じく豊岡町内に、寿亀山天樹院弘経寺を創建する等、常総市内の仏教文化発展に大きく寄与した人物である。
高僧を描いた肖像画を頂相(ちんぞう)と呼称する。曲彔(きょくろく)上に座して右手に払子(ほっす)を執っている姿を描く頂相の標準構成と、「対看写照(たいかんしゃしょう)」と呼ばれる写実的画法により、嘆誉良肇上人の当時の風貌をはっきりと現代に伝えている。
嘆誉良肇上人に関連する文化財は市内にもう一つあり、「名越の甲冑(かっちゅう)」と呼ばれる市指定文化財第6号
が、彼が創建した弘経寺内に所蔵されている。これは良肇が名越家の嫡流であった縁から、後世に寄贈されたものとされている。