紙本著色 北野天神縁起絵巻 2巻(しほんちゃくしょくきたのてんじんえんぎえまき)
指定番号
絵画第26号
指定年月日
昭和35年12月21日
所在地
大生郷町1234番地
「北野天神縁起絵巻」といわれる絵巻物は、古くは「聖廟絵」または「北野聖廟絵」などとよばれた天満宮の縁起絵である。絵巻の内容をみると、菅原道真の一代記の事蹟から死後怨霊(おんりょう)となって猛威を振う様子、やがて北野社へ祀られるに至るその由縁と、信不信に対する天神の霊験利益の数々を綴っている。
大生郷天満宮(おおのごうてんまんぐう)に所蔵されるこの縁起絵巻(大生郷本)は、三類に分類される縁起本のうち、最も成立が古いとされる甲類に属する。詞書(ことばがき)冒頭(上図)が「王城鎮守神々多くましませと・・・」に始まる一群で、まず縁起文のみの建久本が作られ、やがてこれを増補した建保本へと展開する。その後、両縁起を基に絵巻化が進んだ。大生郷本は「応永二十二年十二月大族下天」との奥書から室町時代応永年間(1394〜1428)の作と知られるが、素人絵風の素朴な描写により絵が描かれる。大江匡衡神罰段など増加された場面が見られ、室町期に入ってからの縁起絵の展開を示している。上巻:縦31.2センチメートル、横1581.8センチメートル・下巻:縦31.2センチメートル、横1680.2センチメートル。