農業者年金をご存知ですか?
農業者年金は、国民年金の上乗せ年金として農業者だけが加入できる公的な年金制度です。
平成14年1月から開始した現行制度は、要件の厳しかった旧制度に比べ、以下の3つの要件を満たす農業者であれば加入することができます。(月額400円の国民年金の付加年金への加入も必要となります。)
- 20歳以上65歳未満であること(60歳以上は国民年金の任意加入被保険者)
- 国民年金第1号被保険者であること(国民年金保険料納付免除者を除く。)
- 年間60日以上農業に従事していること
また、加入者自ら積み立てた保険料とその運用益を年金原資として年金額が決まる確定拠出型の積立て年金なので、年金財政が現役世代と引退世代の人口比の影響を受けないという特徴があり、少子高齢化時代でも安定的な終身年金制度です。
上乗せの年金制度に加入する必要は?
国民年金を受給できるから、上乗せの農業者年金は必要ない。
そんなことはありません、夫婦2人の高齢農家の生活費は、月額約22万円4千円かかります。(総務省家計調査などより)一方国民年金の年金額は、夫婦とも40年間満額を支払った場合で月額約13万円(令和5年4月現在)と、国民年金の受給だけでは老後の生活費が不足してしまいます。そこで、農業者の皆さんの老後を支えるための農業者年金を勧めています。
国民年金の受給だけでは老後に不安がある、そう感じる農業者の方にぜひ加入していただきたい年金です。
農業者年金の良い点は?
農業者年金をすすめる理由は、加入者の方へのメリットが多く存在するからです。
そこで、農業者年金の良いポイントをいくつかご紹介したいと思います。
80歳までの保証付き終身年金
農業者年金は終身年金制度なので、生涯年金を受給することができます。
仮に、加入者・受給者が80歳前に亡くなった場合でも、80歳までに受け取るはずであった老齢年金が遺族の方に死亡一時金として支払われます。
税制面の優遇
納付した保険料は、全額が社会保険料控除の対象となります。受給時も公的年金控除の対象になり、万一の死亡一時金も所得税の非課税対象です。
つまり、保険料を掛けている時も、受給する時も、万が一の時も税制的に優遇されています。
保険料への国庫補助制度(政策支援)
農業者年金には、意欲のある農業者への政策支援を行っており、要件を満たせば国から最大1万円(50%)の保険料助成が受けられます。
補助対象者
次の20年要件・所得要件を満たし、かつ、次表「補助対象者区分」の区分1~区分5のいずれかに該当する意欲ある担い手が対象となります。
- 20年要件…下記の3つの期間を合算した期間が20年以上見込まれることが必要です。なお、旧制度加入者(脱退一時金又は特例脱退一時金を受給した者を除く)は旧制度の保険料納付期間も合算できます。
ア…政策支援の申し出をした日から60歳までの期間
イ…政策支援の申し出をした日以前における新制度保険料納付期間
ウ…新制度におけるカラ期間(出稼ぎ等国民年金に加入していない期間に所定の申請をして承認を得た期間) - 所得要件…必要経費等控除後の農業所得(配偶者、後継者の場合は支払を受けた給料等)が900万円以下であること。
補助対象者区分
区分 | 補助対象者 | 国庫補助額 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
35歳未満 | 35歳以上 | |||||
1 | 認定農業者で青色申告者 | 1万円(5割) | 6千円(3割) | |||
2 | 認定就農者で青色申告者 | |||||
3 | 区分1又は区分2の要件を具備している経営者と家族経営協定を締結し、経営に参画しているその配偶者又は直系卑属 | |||||
4 | 認定農業者又は青色申告者のいずれか一方を満たす者で、3年以内に両方を満たすことを約束した者 | 6千円(3割) | 4千円(2割) | |||
5 | 35歳未満の直系卑属の後継者で35歳まで(25歳未満の者は10年以内)に認定農業者で青色申告者になることを約束した者 | ─ |
農業者年金に加入するには
農業者年金の加入を検討してみたいと思った方はぜひ、お気軽に地元の農業委員、推進委員及び農業委員会事務局までご相談ください。
また、農業者年金について詳しく知りたいと思った方は、ぜひ下記の農業者年金のホームページをご覧ください。農業者年金についてわかりやすくまとめてあります。
この機会にぜひ老後の生活を考え、農業者年金への加入をご検討してみてはいかがでしょうか。