常総市では、令和5年度からシティプロモーション活動を開始しています。
これまで、市の魅力発信や身近に市の魅力を感じていただける企画等、市民参画を促進する施策を実施してきました。
この度、シティプロモーションの取組効果を測るための KPI として、「 修正地域参画総量指標 (mGAP=modified Gross Area Participation)」を導入し、令和6年度に指標を測るための調査を実施しました。
調査結果から、常総市のシティプロモーションの現在そして未来を感じていただければと思います。
修正地域参画総量指標(mGAP)調査とは
シティプロモーション活動は、地域の魅力を内外に発信し、その地域への人・もの・カネを呼び込み地域経済を活性化させる活動※とされています。これらの活動が活性化することで、「地域の推奨意欲」、「地域活動への参加意欲」、「地域活動への感謝意欲」が増大することを目指しています。
修正地域参画総量指標(mGAP)調査とは、シティプロモーションの活動効果を定量的(数値)に可視化できる評価手法のことです。
「地域の推奨意欲」・「地域活動への参加意欲」・「地域活動への感謝意欲」の3要素でアンケート調査を実施し、調査結果からmGAPポイントが算出されます。これを経年で比較することによりシティプロモーション活動の活動効果を測定することが可能になります。
※日本都市センター「シティプロモーションによる地域づくり-「共感」を都市の力に-第14回都市政策研究交流会」はしがきから引用
※図表の作成にあたり、総務省HP掲載資料から内容を引用
引用先(総務省)
常総市におけるmGAP調査実施概要
調査名称
常総市のシティプロモーション活動に関するアンケート調査
調査対象
常総市在住の15歳以上75歳未満の市民2,000名
抽出方法
住民基本台帳により無作為抽出
配布方法
郵送による配布・郵送またはWEBフォームによる回答
設定設問
全10問
調査期間
令和6年11月1日から令和6年12月25日まで
回答件数
485件(回答率:24.3%)
調査結果から見えてきた傾向
常総市民は感謝意欲が高い傾向あり
まず最初に、常総市を知人へおすすめする推奨意欲、常総市内のイベント等への参加意欲、常総市内の活動に関する感謝意欲の3視点で設問を設定しました。
調査結果から比較すると、感謝意欲に高い傾向があり、次いで参加意欲、推奨意欲と続いています。
推奨意欲は40歳代~50歳代が高く、30歳代に低い傾向あり
常総市を知り合いなどにおすすめする「推奨意欲」の高さを年代別に見ると、40歳代から50歳代において高い傾向がみられた一方、30歳代において低い傾向がみられました。
参加意欲は全体的に高いが、70歳代に低い傾向
常総市内のイベント等への「参加意欲」の高さを年代別に見ると、40歳代~50歳代を中心として全体的に一定の高さがあった一方、70歳代においては全体と比較して低い傾向がありました。
感謝意欲は30歳代~60歳代で高い一方、20歳代は低い傾向
常総市内の活動に関する「感謝意欲」の高さを年代別に見ると、30歳代~60歳代に高い傾向が見られた一方、20歳代を中心とした若年層では低い傾向が見られました。
常総市の修正地域参画総量(mGAP)は-649.4ポイント
今回実施した調査から求めた修正地域参画総量(mGAP)ポイントは-649.4ポイントでした。
なお、地域推奨量は-415.4ポイント、地域参加量は-349.3ポイント、地域感謝量は115.2ポイントとなりました。
常総市民のイベント参加需要、1位は「お祭り」、体験やワークショップに関する参加意欲も一定の需要あり
mGAPの調査設問と同時に、市民参画を促進する市内イベントや体験、ワークショップ等の参加意欲に関する設問も設定しました。
調査結果からは、「お祭り等イベント」の参加意欲が最も高いことが分かったほか、体験学習やワークショップに関する参加意欲も高い傾向があることが分かりました。
体験やワークショップに関するインターネットサイトの需要も高い傾向
これまで常総市内の体験やワークショップに関する情報をまとめたインターネットサイトを市で提供はしていませんでした。
市内イベント等の情報ニーズの設問で体験やワークショップに関する情報を求める声が多かったことから、これらの情報をまとめたインターネットサイトのニーズを聞いたところ、全年代を通じて高い傾向となりました。
30歳代に潜在的参加意欲がある可能性
設問をまたいだクロス分析として、「参加意欲が低い(ポイント0~5)が市のイベント等に関する情報は利用したい」と回答した人数を年代別に集計しました。
結果から、30歳代の市民において、当該条件に合致する層が一定割合いることが分かりました。
現時点の参加意欲(参加可否)は低いが、将来的に情報があれば参加する意向があるという、「参加意欲の潜在層」が30歳代にあると想定しています。
30歳代を中心にシティプロモーション情報が伝わっていない層がいる可能性
次に「感謝意欲は低い(ポイント:0~5)が市のイベント等に関する情報は利用したい」と回答した人数を年代別に集計しました。
結果から30歳代女性において当該条件に合致する層が一定割合いることが分かりました。
市内のイベント等への参加意欲は高い(参画意欲は高い)ものの、市や市シティプロモーションの情報が十分に伝わっていない層が一定割合存在する可能性があると考えています。
シティプロモーション活動との関連性
修正地域参画総量(mGAP)のポイントは経年比較をすることで効果検証が可能な指標です
修正地域参画総量(mGAP)のポイントはそれ自体の大小でシティプロモーションの効果をすべて表現することはできません。
初調査となる今回(令和6年度)の調査結果が初期値としての評価となります。
ポイントが経年比較で増加しているのか、減少しているのか、今後検証することで、効果を測定することが可能となります。
推奨意欲や参加意欲を高める取組を今後も継続してまいります
本調査結果では、常総市民の常総市への推奨意欲や参加意欲が感謝意欲と比較して低い傾向が見られました。
今後も効果的なシティプロモーション活動を実現し、全体的な地域参画総量を増大させていくため、以下の取組例をはじめとしたさまざまな取組を進めてまいります。
推奨意欲を高めるための取組例
(1)シティプロモーション動画制作事業
常総市を推奨できる市民を増大させていくため、常総市の魅力を表現した動画を令和5年度及び6年度に制作しました。
今後、当動画の幅広い機会、場所での活用を図ります。
(2)SNSでの情報発信
常総市シティプロモーション各種SNSアカウント(Instagram・X・threads)で常総市の魅力発信となる投稿を行っています。
シティプロモーションキャッチコピーである「なんか、いいかも。~Find Your Joso~」が伝わる投稿を今後も展開してまいります。
参加意欲を高めるための取組例
(1)市内イベントでの参加型ブース出展
市内で開催されるイベントで市シティプロモーションブースを出展し、ブース内で常総市の魅力を感じたり、常総市の魅力を持ち帰ることができる参加型の企画を実施しています。
今後も同様の参加型ブースの定期的な出展を企画し、常総市の魅力を感じていただける機会を増大できるよう図ります。
(2)シティプロモーションロゴマークの活用推進
シティプロモーションロゴマークは、個人、団体、企業の方など、常総市と関係するすべての方にご活用いただけます。(ご活用にあたり「常総市シティプロモーションロゴマーク使用マニュアル」や関係法令をお守りいただく必要があります。)
今後もロゴマークの活用を広め、市シティプロモーション活動に参加する方の輪を拡げてまいります。
(3)常総市オリジナルヒーローワークショップの開催
常総市では、オリジナルヒーローワークショップを開催しています。当ワークショップにおいて、子どもたちの自由で豊かな創造力や発想力で描いたヒーローが、市のPRキャラクターとして活躍しています。
ワークショップへの参加により、常総市の魅力を発見し、共有する機会創出を図ります。
本調査分析では包括連携協定に基づきjinjer株式会社のご協力をいただきました
修正地域参画総量指標(mGAP)調査結果の分析及び図表作成にあたっては、常総市と「オープンデータの利活用に関する包括連携協定」を締結しているjinjer株式会社(東京都新宿区)にデータ分析についてご協力をいただきました。
jinjer株式会社は、人事労務・勤怠管理・給与計算・ワークフロー・経費精算など、人事労務の効率化を支援するクラウドサービスを提供している企業です。DXの1.5歩手前から伴走し、社会課題の解決を進めるプロジェクト「MOVE ON PROJECT」のひとつとして、2023年に常総市との間で包括連携協定を締結し、取組を進めています。
jinjer株式会社ご担当者さまのコメント