更新日:2017年10月22日

直木賞作家・道尾秀介講演会を開催

講演会について

 市立図書館開館35周年記念事業の第1弾として、10月8日、直木賞作家・道尾秀介氏の講演会を開催しました。

 講演は、フリーアナウンサーの海保知里氏によるインタビュー形式で行われ、尊敬する作家のトマス・H・クックに会うために渡米した話や、行きつけのバーで出会った家具職人との付き合いなど、作家としてのみならず日常の道尾氏も垣間見ることができました。

 視聴覚室という小さな会場で、海保氏の絶妙な話題の振り方もあり、道尾氏とその場の全員が親密な雰囲気に包まれた講演となりました。

会場の様子

 当日は、多くの来場者で賑わいました。視聴覚室の定員をやや上回る人数でしたが、幸いお申し込みの方全員が会場に入ることができました。 ↓

来場者で賑わう会場

 

 

日常のエピソードを交えて語る道尾秀介氏 ↓

日常のエピソードを交えて語る道尾秀介氏

 

 

海保知里氏の絶妙な話題の振り方もあり、会場は和やかな雰囲気となりました。 ↓

話題を振る海保知里氏

 

 

実体験と作品について語る道尾氏 ↓

実体験と作品について語る道尾氏

 

 

 道尾氏のお人柄と、小さな会場であったということもあり、その場の全員が親密な雰囲気に包まれた講演会となりました。 ↓

小さな会場で、来場者は道尾氏のすぐそばで話を聞けました

 

 

 ファン待望のサイン会では、参加者全員が道尾氏と会話の機会を持つことができました。大好きな作家さんと過ごした貴重な時間に、感極まるといった面持ちの方もいらっしゃいました。 ↓

サイン会の様子

講演会でのインタビュー

 今回の講演では、事前に質問を公募していました。これらについては、講演のお話の中に織り交ぜつつ、道尾氏から直接お答えいただけました。

 以下、ご紹介いたします。

 

Q:クイズ番組にご出演されてますが、番組コーナー内に出てくるキャラクター「平目木駿(ひらめきはやお)」を主人公とした小説を発表する予定はありますか?

A:ないですね。小説は自分だけの世界を書きたいんです。平目木駿はスタッフの方といろいろ相談しながらキャラ作りをしたり、映像でしかできないことをやっているので、そもそも小説にするのは無理なんです。

 

Q:担当編集者と一緒に二人三脚で作品を作るということをよく聞きますが、道尾さんの場合どうですか?

A:僕はそのタイプじゃないですね。多分マンガとかだと「読者が喜ぶものを」と頼まれたりするんですが、小説の世界はそういうことはあまりなくて、僕は何をしてもいい放し飼い状態です。自分でやりたいようにやったのが、多少読者がついてくれたので、信頼されているんだと思うんですよね。

 

Q:お一人で取材旅行をされるということですが、大体の土地が出てくるところは全部取材旅行されて書かれているということなんですか?

A:一人で一泊でもいいですし、何泊かして、地元のお店に行ってその土地の人とお酒飲んだりしゃべったりして、その土地の人の空気感をつかんだり街や村の空気を浴びたりすることで、なんとなく世界が固まってくるんですよね。行ってみないと分からないことがたくさんあるんです。

 

Q:直木賞を4回逃したとき、「次は必ず取る」と宣言されたと聞きましたが、それは自信ですか?それとも気合ですか?

A:亀田作戦と呼んでました。ボクシングの亀田兄弟はビッグマウスでしたよね。ウケは悪くて総バッシングでしたが、ちょうど僕と同じくらいの時期で、インタビューを見るたびに痛いくらい自分を追い込んでいることが分かるんです。負けたらどんだけカッコ悪いかっていうカッコ悪さを一番できるところまで上げておいて、絶対に負けられないという状況を作っておくのが分かるんです。それをちょっと真似して、自分を追い込む状況を事前に作っておくことを亀田作戦と呼んでいました。

 

Q:知らない人からいきなり話しかけられて「私を題材にしてください」とか言われたことはありますか?

A:「名前を使ってください」はよくありますね。でも、言われてしまうと逆に使えなくなったりするわけです。そうすると、使える名前が減ってきて困ってしまいます。

 

Q:『向日葵の咲かない夏』は、衝撃を受けた方がたくさんいらっしゃると思いますが、あの着想はどのようにして生まれたのでしょうか?

A:大きなトリックが仕組んであるわけですが「いかに主人公の気持ちを読者に効果的に伝える方法はなんだろう」と考えて思いついた方法があの方法でした。イメージとしては、辻斬りに近いですね。

 

Q:最後にびっくりするような展開のトリックは、どういったときに出てくるものなんですか?

A:100個に1個ぐらい使えそうなものが出てくるので、それを捕まえる感じですね。「あぶく」の中に、ある時「あぶく」じゃないのがふっと混じる、それをぱっと捕まえる感じ。気を抜くとすぐ忘れちゃうんです。

 

Q:結末を決める時は、自分が「こうしたい」という基準と、読者が「こうなって欲しい」と思われるものと、どちらを優先されますか?

A:優先するのは自分なんです。読者として自分一人しか想定していないんですよ。「一番好きな作品は何ですか?」と読者に聞いても、みんな違う答えが返ってくる。誰に合わせて書いても絶対に合わない人がいるし、すごく合う人もいるし、合わせようがないんです。そういう時に読者として誰を想定するかっていうと、自分しかいないんです。自分が読みたいもの、でも本屋さんで売っていないから自分で書くっていう自給自足的なやり方で小説を書いているので、読者の方を優先っていうのは、そんなにないですね。僕の場合。ただ、そうすると小説へのハードルが上がるんですけどね。

 

 このほか多数のご質問がありました。道尾先生は、どの質問に対しても丁寧に語りかけるようにお答えくださいました。

来場者の声

○お話が楽しく、あっという間に時間が過ぎました。

○有意義な時間でした。また、このような機会を期待します。

○インタビュアーのいる講演会は、中身が濃いですね。海保さんの力もありますが、多才な道尾さんを知ることができました。

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